神棚の扉は開けておくべきか閉めておくべきか
お札を祀っているなかで疑問に挙がることがあるのが、神棚の扉の開閉についてです。
この点について考えてみたいと思います。
開ける、閉める、どちらの考え方も
結論からいうと、開けておく、閉めておく、どちらの考え方もあり、どちらが良くてどちらが悪いというものではありません。
閉めておくべきという考え方
まず閉めるという考え方ですが、神社の本殿をもとに考えると、神社の本殿の扉は普段は閉じられたままで、重要なお祭り事の時だけ開けられています。扉を開ける時でもさらにその内部の御神体(ごしんたいと読みます。神様が宿っているとされ、神社によって様々です。)は決して人の目につかない様になっています。
遷座(せんざ)などで神様に他の場所に移動していただく時もその神社の宮司(神社の神主の中で一番えらい人)しか御神体を見ることができません。もちろん移動中は人の目に触れないように布で覆ったりします。
これは、神様の存在はたいへんに畏れ多いものであり、人の目に触れるような軽々しいものではないという考え方からです。
この点を考えると神棚の扉は普段は閉めておいて大きなお祝い事などの時だけ開けておくのが良いという考えにつながりますね。
開けておくべきという考え方
次に、開けておいたほうがいいという考え方についてですが、「お札は神社の御神体とは違う」、「神社と家庭を結びつけるものであるから開けておいたほうがいい」という意見があります。
神社の御神体は先に述べたように人の目には触れてはいけないものですから、お札を同じと考えては、神社で気軽にお札を受けて自宅に持ち帰ったりできないですよね。御神体ならば一般の人が触れるわけにもいきませんし。
お家でお祈りをする時も、お札が見えたほうが、神様にお願いしてるんだという気持ちになるかもしれません(人によるかと思いますが)。
また、神棚を用いずにお札をそのままたて掛けてお祀りする方法もあるわけですから、お札が人の目に触れてはいけないということは無さそうです。
といったわけでどちらが正しくて、どちらが間違っているということは無さそうです。どちらの意見も互いを完全に否定して述べられていることは無いので、こういっては難ですが、あまり難しく考えることも無いのかもしれません。どちらの形であれ、神棚を清浄に保ち、きちんとお祈りをするということが大切だと思います。